コロナウイルスが蔓延してから2年目に突入。誰もこれほど長引くとは思っていなかったはず。
私が住んでいるのはド田舎だが、それでも外出は以前に比べてぐっと減った。
大好きな旅行は外国はもちろん、国内旅行も全くしていない。
今年1月1日に届いた年賀状のうち、コロナウイルスの影響で人生計画が少し狂った人がいた。
彼女は、30才の時にニューヨーク行きのANAの飛行機で、隣の席に座っていた。
友達の結婚式出席のためにニューヨークに行くそうで、たった12時間機内で居合わせただけなのに、私をその結婚式に招待してくれた。
以来、一度も会ってはいないが、毎年年賀状だけは交換している。
彼女の年賀状には、「夫が定年退職したら、二人で日本一周する予定だったのに、コロナのせいでどこにも行けず、とても残念で悔しくて仕方がない」と、書いてあった。
あ~、こういう定年退職まで、楽しみを保留している人が一杯いるんだろうな。。。
同情はするが、なぜ、楽しみを定年退職まで待つのか?
明日は何が起きるかわからない世の中。定年退職まで生きていられる確信もないのに。
私だって会社員だったし、一番最後の会社は2年半全く有給休暇を取らせてもらえず、それが原因で会社を辞めたわけなので、日本では有給休暇が取りにくいのは、よくわかる。だから、毎日が自由になる定年退職まで待たなきゃいけないのも、理解できる。
でも、旅行は、できるだけ若いうちにしたほうが良いと思う。
特に、海外旅行。
世界中の有名観光地を訪れたり、美術館を見たりなど、もちろん定年退職してからでもできる。だが、現地の人と触れあったり、異なるものを見て刺激を受けたりなど、吸収力がすごい若者のほうがその後の人生に与える影響が大きいからだ。
人生感が変わり、複数の視点を持つことで、違う仕事に挑戦したくなるかもしれない。
または、訪れた国で恋に落ち結婚して、その国に住むことだってある。
私は22才の時、学生生活最後の夏休みに、親に隠して旅行会社提携の銀行から「就職したら返済するローン」50万円を借り、アメリカ・ロサンゼルスでホームステイをし、その後、一人で2週間アメリカ西海岸を旅行した。
日本では就職したら長期の休みが取れない、と聞いていたからだ。
「これが、最初で最後の海外旅行」のつもりで行った。
結果的には、最後どころか、それがやみつきになり、その後は何度も行くことになったわけだが。
なぜ、何度も行くことになったかというと、日本と違い、世界には色んな人がいて、日本の常識、日本人の考え方が全てではないし、それと違っててもいいんだと教えてくれたから。
いや、違っててもいいどころか、私には外国人の考え方のほうが合っている。
アメリカでは、年齢に関係なく再挑戦したり、底に穴があいたりドアが潰れた車に平気で乗っていたり、飛行機のカウンターでごり押しすると融通きかせてくれたり。
日本と違い、他人の目を気にしないし、大らか大雑把、フレキシブルなのだ。
その影響か、人の目を気にしたり、常識にとらわれなくなったので、社会人生活では、回りと少し違うということで、うまく溶け込めなかったりして、苦労したが。。。
でも逆に、外国人と対峙しても物怖じしない、英語が話せるということで、外資系企業で働くには有利だった。
2019年10月にフランスへ2週間の旅行へ出かけたのは、58才の時。
パリでは、再びオルセー美術館を訪れた。最初は2009年の夏だった。
大好きなゴーギャンのタヒチの絵画や、モネ、ルソー、ゴッホなどの名画が盛りだくさんの美術館だ。
あまりにも感激して良かったので、どうしてもまた行きたかった美術館だ。
だが、2回目の時は最初の時ほどの感激はなかった。
一度見ているからそうなのか、または年をとって感性が鈍ったのか。。。