私、47才で会社辞めました

外資系企業でモーレツに働かされ、最後の会社で燃え尽き症候群になる一歩手前で会社辞めました。女、独身の気ままな身。地方に移住して自然を満喫し、時々国内外を節約旅行しています。

ボイラーが壊れてあわや大出費。

少ない年金受給額で節約生活が続く毎日。そんな時に限って大きな出費が発生するもの。

 

最近は、お風呂で好きな入浴剤を入れてリラックスするのが唯一の楽しみ。浴槽にお湯をはるので蛇口をひねると、浴室外に設置しているボイラーから、水が水鉄砲のように勢いよく噴き出した。

 

あっという間に床はびちょびちょ。すぐに蛇口を閉める。びちょびちょになった床をいくつものタオルを使い、ようやく拭き取る。

どうしてもお風呂に入りたかったので、水が噴き出した部分(あとでネットでしらべると、“減圧弁”というらしい)を指で押さえながら、浴室蛇口をひねる。

 

さっきよりはましで水は噴き出さなくなったが、少し油断をして押さえた指がゆるむと、たちまち水がだらだら出る。まるで悪夢のようだ。

痙攣する指で減圧弁を押さえながら、最低限のお湯が溜まるのを待つ。減圧弁の先は細く小さいので、指が痛い。痛いが、どうしてもお風呂に入りたいので我慢。

10分ほどで、かろうじて体が浸かるほどのお湯が溜まったので、蛇口を閉める。

 

浴槽にお湯ははれたが、誰か減圧弁を指で押さえていないと、シャワーを使えない。押さえる人がいないのでシャワーはあきらめることに。

 

浴槽に入り、浴槽のお湯で髪を洗い、体を洗う。まるで昔の西洋人のようだ。

でも私は日本人だから、浴槽の外で髪を洗い、体の石鹸をシャワーで洗い流したい。

今日はこれで済んだとしても、これからどうしようか。。やはり、ボイラーを買わなきゃいけのないのか。

せっかくリラックスしにお風呂に入ったのに、ストレスが溜まる。

 

風呂から上がり、ネットでボイラーの値段を検索。安いのでも8万円ほど。

そんな大金は払いたくない。

 

車で10分ほどのところに300円の日帰り温泉があるので、そこへ通うか。

車の往復ガソリン代と、300円の料金で、週に3回ほどとして、4000円。

プラスガソリン代で、月合計6000円くらいかな?

 

でも、お金だけでなく、日帰り温泉へ往復して、洋服を脱いで着る時間などを考えると、時間がもったいない。

それに、夏は毎日入るから6000円ではすまず、9000円プラスガソリン代で13000円くらいになるかもしれない。ものすごい出費だ。

自転車で往復するとガソリン代はかからないけど、夏はせっかくお風呂にはいったのに、家に着く頃には汗だらだらで結局むだになっちゃうし。

頭が痛い。

 

考えているうちに、ボイラーが壊れて2回目のお風呂タイムの日がやってきた。

もしかして直っているのでは、と期待して浴槽の蛇口をひねると、また減圧弁から勢いよく水が噴き出した。慌てて蛇口を閉める。

再び指で10分間押さえるのは嫌だ。指の代わりに、テープを貼ることを思いつく。

 

車の壊れた部分を押さえるのに、「ゴリラテープ」を買ってあった。強力なテープで、車の損傷部分でも貼り付けるんだから、減圧弁の穴を塞ぐことくらい簡単に違いない。

貼ってみると、もう水が噴き出してこなくなった。

まるで夢のようだ。

 

浴槽に充分にお湯をはり、髪と体の石鹸は浴槽の外でシャワーで洗い流すことができた。当たり前にやってきたことだが、有難くて仕方がない。

 

今までは自宅に風呂があるのに、わざわざ日帰り温泉に行ったこともあった。

しかし、自宅でお風呂に入れることがこんな贅沢なことだったとは、あの悪夢がなかったら一生気づかなかったかも知れない。

 

ゴリラテープのおかげで、高いボイラーを買わなくてすんだし、日帰り温泉へ行く時間とお金の節約にもなった。すごいテープである。