名瀬の宿を出て、今日は加計呂麻島へ。
バスで古仁屋港を目指す。 途中、マングローブパークを通り、バスの中からマングローブを見下ろすことができた。
1時間半ほどで、古仁屋港に到着。ここから、フェリーか水上タクシーで、加計呂麻島の瀬相港へ向かう。
フェリーはあと2時間待たないといけないので、一刻も早く島へ渡りたいから30分ほどで出る水上タクシーで行くことに。
観光案内所で、フェリー到着に合わせて加計呂麻島のバスが接続されているから、今行っても瀬相港には何もないし、ここで2時間食事しながら時間つぶしたほうがいい、と言われたのだが、行きたいと思ったらもう待てず、とりあえず行ってみることに。
水上タクシーが出るまで30分あるから、近くのCoopをのぞき、いつも食べているチョコモナカジャンボアイスを探したが見当たらず、バニラモナカしかない。しかも、値段が140円と、普段は100円で買っているから、40円高い。船で本土から運んでくるから割高なのか?
すぐ近くにファミマがあるので、そちらへ移動。
チョコモナカジャンボアイスはあったが、値段は160円。高いなあ。
でもどうしても食べたいので買い、水上タクシー乗り場へ。
地元民らしきおじいさん、おばあさんが数人待っていた。
ここで正しいのか一応聞いてみようと、小屋の中へ入ると、今まさにカップヌードルに食らいつこうとしている40代くらいの男性がいた。
「加計呂麻島行きはここで待てばいいのか」と聞いた。
南の島の人間らしく陽気な返事が返ってくるかと思いきや、ものすごく愛想悪く、最初は無視しようとしたのか、間があり、「そう」と仕方なく答えた感じ。
カップヌードルを食べるのを邪魔されたのが気にいらなかったのか?
小屋の外でアイスを食べながら出港を待つ。
出港するとのアナウンスも何もなく、一緒に待っていた地元民が船の方へ荷物を持って移動するので、それに倣ってついて行く。
船は8人ほど乗ると満員になるくらいの小さな船。やはりアナウンスもなく、突然出発した。お金はいつどこで払うのかと思っていると、地元民が操縦している男性の横にあるケースの中に次々とお金を入れに行くので、それに従う。
「値段はいくらか?」と聞くと、「400円」と、今度はまともに答えてくれた。
操縦する男性は靴を脱ぎ、靴下姿で足をぶらぶらしながらのリラックスぶり。
もう何年もこうやって晴れた日は青い海を見ながらやって来たんだろうな。
ほとんどが顔見知りの地元民だから、たまに変な観光客でも乗らない限りは、ストレスもなく良い人生だ、と思う。
小さい船だが結構なスピードで走り、向かいに座る地元民のおじさんが指をさすので、何かと見ると、床に置いた自分のリュックサックに飛沫がドバドバ飛んで濡れていた。
それを除けば、フェリーよりも海、風、景色を直接感じることができて、良かったかもしれない。
下船すると、古仁屋の観光案内所で言われた通り、瀬相港はほんとに何もなかった。
あるのは、切符売り場の小さな建物と、一軒のお土産物を売るお店があるだけ。想像を超える何もなさだった。
宿までのバスはあと1時間半は来ない。時間つぶしにお土産物風のお店をのぞいたが、あっという間に終わった。
港に戻り、屋根がついたベンチに座り、海をぼーっと眺める。
宿があるのは、島の反対側にある嘉入地区。地図で見るとそんなに距離があるようには見えないが、島の真ん中は山なので、港からは上りが続く山を越えなければいけない。
「バスが不便なので歩いて行こうかな」と、古仁屋の観光案内所で言ったら、「歩いていくのはやめたほうがいい。きついですよ」と言われていた。
でも、1時間半もこうして海を眺めてぼーっとしているのは耐えられない。
上りが続くといったって、道路がアスファルトなだけ登山よりは楽だと思い、宿まで歩いていくことに。
港から歩きだして20分ほど経つと、前方にいよいよ上りが見えた。
誤算だったのは、10キロほどのリュックを背負っていること。
登山中は水や食料などの軽い荷物しか持っていないから楽だけど、今は旅行中の様々な物が詰まる重いリュックだから、途中それを捨てたくなるほどに肩に食い込んで重かった。
でも始めたからには投げ出すわけにはいかない。それに、もしもう無理な場合は、バスがそのうち来るから、無理矢理止めてそれに乗ればいい。
途中、きれいな蝶々が寄ってきたり、遠くの景色を眺めたり、歩かなければ遭えない景色を見ることができたと思う。
重いリュックが肩に食い込み、汗だらだらで1時間10分ほど歩き続けると、ようやく下りに。上りは地獄だけど、下りは天国。下っていくと、道路左手に、「嘉入の滝」があった。ここまでくると、宿は近い。 滝は神秘的で、手前に立つシダかヤシのような木が印象的だ。
滝から15分ほどで、今晩宿泊するゲストハウスに到着。
喉がカラカラで、自動販売機で普段は飲まないコカ・コーラを一気飲みしたかったが、
案の定、自動販売機はない。
代わりにゲストハウスのホストさんが、氷を入れたアイスコーヒーを作ってくれた。
渇いた喉に冷たいアイスコーヒーが最上の飲み物だったのは言うまでもない。